働くほど、本から遠ざかる?
仕事に追われる日々が続くと、本を読む時間がどんどん減っていく。
読書が好きなはずなのに、積ん読が増え、気づけば「読めない自分」に少しモヤモヤする。

そんな中、「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」というテーマを掘り下げたある書籍に出会った[1][2]。
その書籍のあとがきには、著者自身の「働きながら本を読むための6箇条」が紹介されていた。どれも簡単に真似できる小さな工夫だが、読み手の暮らしにすっと馴染む視点ばかりだった。
それぞれに、僕自身の生活と重ねながら紹介してみたい。
1. 「自分と趣味の合う読書アカウントをSNSでフォローする」
読書は、孤独な行為でありながら、誰かと共有することで面白さが広がる。
僕もSNSではいくつかの読書アカウントをフォローしていて、移動中や仕事の合間にパラパラとチェックする習慣がある。
そこから得られるのは、単なる本の紹介ではなく、自分が普段スルーしていた分野との偶然の出会い。
「これは今の自分に必要な本かもしれない」と気づく瞬間が、意外と多い。
2. 「iPadを買う」
書籍の電子化が進むなかで、iPadは読書の選択肢を大きく広げてくれたツールだ。
僕の場合はiPad Proを愛用していて、特に寝る前によく使っている。
大きめの画面で文字が読みやすく、資料的な本や図解が多いものでもストレスなく読める。
寝室の明かりを落としてからでも、そっとiPadを開いてページをめくる。この気軽さが、読書を「やろう」と意識せず習慣化する助けになっている。
3. 「帰宅途中のカフェ読書を習慣にする」
カフェ読書というと洒落た雰囲気を想像するかもしれないが、僕はマクドナルドをよく使っている。
駅から近くて、適度に賑やかで、コーヒー1杯でじゅうぶん長居できる。読書にはちょうどいい環境だ。
最初は「20分だけ読もう」と区切っていたつもりが、気づいたら読書に没頭してそのまま一冊読み終えてしまうこともある。
外の雑音が逆に集中力を高めてくれるという、不思議な体験だ。
4. 「書店へ行く」
「読まなきゃ」と思うより先に、「本に触れる」時間を持つ。
そういう意味で、大きな書店は僕にとって欠かせない場所になっている。
たとえば日本橋丸善、丸の内丸善、新宿の紀伊國屋書店、恵比寿の有隣堂。
どれも定期的に立ち寄る“行きつけ”の書店だ。棚の並び方、店ごとのセレクト、空気感まで含めて、そこに行くだけで頭がほぐれていく感覚がある。
読書は読む前から始まっている。そんなことを、書店を歩くたびに思う。
5. 「今まで読まなかったジャンルに手を出す」
僕は小説を読むことがほとんどなく、読書の中心はノンフィクションや新書だ。
だから「新しいジャンル」と言っても、フィクションではなく、あくまで自分の枠の中での“新領域”に踏み出すイメージに近い。
最近では、今まで手に取らなかった分野の新書を選び、そこから関連文献に芋づる式に広げていく読書をよくしている。
一冊の本が複数の扉を開いてくれる感覚は、ジャンルの広がりよりも“視野の広がり”を実感させてくれる。
6. 「無理をしない」
そして最後に、「無理をしない」。
この一言に、読書と仕事の両立における最大のヒントが詰まっているように思う。
以前は「月に◯冊読む」といった目標を立てていたこともあるが、それがかえって自分を追い詰める原因になっていた。
今では、「読みたいときに読む」「読めないときは気にしない」というスタンスを大切にしている。
とはいえ、読んだ本の記録は残しておきたいので、ブクログというアプリを使って読書ログをつけている。
自分がどんな本に惹かれ、どのくらいのペースで読んでいるのかを“可視化”することで、無理なく振り返りができるのが良い。
記録するからといって焦る必要はない。ただの数字ではなく、自分の思考の軌跡として、静かに積み重ねていく感覚が心地いい。
読書は“向かい合う”より“隣に置く”感覚で
読書は、仕事や学びのツールであると同時に、日々の気分や思考を整える“静かな習慣”でもある。
だからこそ、頑張って時間を作るというよりは、自然と本に手が伸びる環境を整えておくことのほうが大切なのかもしれない。
SNSを通じて人とつながり、iPadで手軽に読み、マクドナルドでひと息つきながらページをめくる。
書店で本に触れ、新たなジャンルで視点を広げる。そして何より、自分にプレッシャーをかけない。
そんな「無理のない読書」を、これからも続けていきたい。
引用文献
[1] なぜ働いていると本が読めなくなるのか 読書が問いかける「今の働き方」への違和感 − NIKKEIリスキリング
https://reskill.nikkei.com/article/DGXZQOLM084BU0Y4A500C2000000/
[2] なぜ働いていると本が読めなくなるのか(三宅香帆 著)− Amazon
https://amzn.to/3IC9alF

