はじめに
8月10日は「ハットの日」として、社名に“ハット(hat/hut)”や“ハト”の語を含む企業が、記念日プロモーションを展開しています。代表的な企画は、イエローハット・ピザハット・リンガーハットによる異業種コラボ「ハット首脳会談」。この一風変わった取り組みは2022年に始まり、年々スケールや演出を拡大しながら続いてきました。
この記事では、2022年から2025年までの事例を追いながら、その企画意図やマーケティング的意義について整理していきます。
「ハットの日」とは何か
「ハットの日」は、8月10日(=810=ハット)という語呂に合わせて、社名に「ハット」が入った企業が展開する記念日型キャンペーンです。2022年以降、各社が自社プロモーションと共に、横断的な企業連携を進めてきました。

もともとは、
- イエローハット(カー用品、帽子の「hat」)
- ピザハット(飲食、小屋の「hut」)
- リンガーハット(飲食、小屋の「hut」)
といった「ハット」つながりの3社が軸になっていましたが、2024年には“ハトのマークの引越センター”が新たに加わり、「ハト」も語呂の仲間入りを果たしています。
各年の展開と進化
2022年:初の「ハット首脳会談」開催
2022年8月、3社の社長が一堂に会する動画「ハット首脳会談」が公開されました。テーマは「うちのハットって何?」。帽子の「hat」、小屋の「hut」、それぞれの由来を紹介しながら、最後は「ハット同盟」として結束するというユーモアある内容でした[1]。
企画のユニークさから、SNSやWebメディアを中心に注目を集め、「名前の語感で企業がつながる」新しいコラボ事例として紹介されました[2]。
2023年:「ハット首脳会談 廊下篇」へ継続展開
翌年も「ハットの日」企画は続行。2023年には「ハット首脳会談 廊下篇」が公開され、前年と同じ3社の社長が再集結。社名の由来トークに加えて、廊下での会談シーンという新たな演出が加わり、ストーリー性も増していました[3]。
この年は、SNSでの参加型キャンペーンや、「ハット首脳会談Tシャツ」が抽選で当たるプレゼント企画も行われ、ユーザー参加の余地が広がった年でもあります。
2024年:新メンバー「ハト」も参加し、4社体制へ
2024年の「ハットの日」には、3社に加えて「ハトのマークの引越センター」が新たに参加。「ハット首脳会談2024 ハト篇」が公開され、ついに“ハット”と“ハト”の融合が実現しました[4]。
CMでは、3社の社長とともに「ハト」代表も登場し、ユニークな語感と掛け合いが展開されました。キャンペーンとしては、Mサイズピザ12種が810円で販売されるなど、語呂「810(ハット)」にちなんだ価格施策も行われました[5]。
2025年:テーマを「大運動会」へ刷新、最多企業が参加
2025年には、これまでの「首脳会談」形式から一新し、「ハット大運動会」篇が制作・公開されました。イエローハット・リンガーハット・ハトのマークの引越センターの3社が参加し、綱引き、玉入れ(=ハット入れ)、騎馬戦といった競技で“最強のハット”を目指して戦うという演出に[6]。
さらに、応援ゲストとして「レッドハット株式会社」も登場。IT業界からの参戦という新たな展開が加わり、“ハットコラボ”の拡張性を印象づけました[7]。
各社SNSでは、「ハット大運動会ジャージ」の抽選プレゼント企画も実施。記念日としての定着だけでなく、ユーザーとのインタラクション施策もより立体的になってきています。
マーケティング的な視点からの考察
この取り組みを通して見えてくるのは、以下のような戦略的要素です。
- 語感・語呂を軸にしたブランド接点の創出
「ハット」「ハト」という言葉をフックに、企業間のゆるやかな連携を成立させている点は、企業ブランディングや認知訴求において非常に効果的です。 - 異業種コラボによるリーチ拡大
業種が異なることで競合せず、各社の顧客層を“共通テーマ”で横断できるメリットがありました。飲食・カー用品・引越し・ITと多岐に渡る顔ぶれは、むしろコンセプトの広がりを感じさせます。 - 体験・参加型施策への移行
「首脳会談」から「運動会」への流れは、単なる映像コンテンツから“見て楽しむ+参加したくなる”方向への進化です。プレゼント施策、SNS連動も含め、ユーザー参加の余白が大きくなっています。 - 企業理解・ブランド再認知の促進
企業側が自らの社名の由来を語ることで、「あの社名ってこういう意味だったんだ」といった気づきを顧客に与えると同時に、企業文化やブランドの再確認にもつながっています。
おわりに
2022年から始まった「ハットの日」プロジェクトは、年を追うごとに演出を変えながら進化を続けています。共通するのは、企業が「名前の語感」という小さな接点から、横断的なコラボを構築し、記憶に残るプロモーションへと昇華させている点です。
このような記念日コラボは、単なる販促にとどまらず、企業間連携の柔軟性、ユーザー巻き込み型マーケティング、ブランドリフレーミングの優れた事例でもあります。今後も「ハット/ハト」仲間が増え続けるのか、注目していきたいと思います。
引用文献
[1] 8月10日は「ハットの日」 イエローハット・ピザハットとの“ハット企業”コラボに初参戦!:株式会社リンガーハット https://www.ringerhut.jp/news/2022/0804_1/
[2] 社名に「ハット」がつく3社長 「ハット首脳会談」で前代未聞のコラボ|広告タイムズ https://www.advertimes.com/20220804/article392427/
[3] 8月10日は“ハットの日”「ハット首脳会談」今年も開催!:リンガーハット https://www.ringerhut.co.jp/info/2023/0803_1/
[4] 「ハット・ハトの日」ハット首脳会談2024開催:リンガーハット https://www.ringerhut.jp/news/2024/0805_1/
[5] “なんと4名の会長/社長が集結!記念日限定TVCM「ハット首脳会談2024ハト篇」”:日本ピザハット株式会社 https://corp.pizzahut.jp/info/3951
[6] ハット大運動会篇を公開:リンガーハット 2025年ニュースリリース https://www.ringerhut.jp/news/2025/0806_1/
[7] ハット企業4社が夢の競演!レッドハットも登場:PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000167545.html

