最近、とある書籍の脱線話で「人間とバナナの遺伝子は50%が同じである」という話を知りました。一見すると、脊椎動物である人間と植物のバナナが半分も同じだなんて、にわかには信じがたい話ですよね。

この驚きの事実は、実は分子生物学の世界ではよく知られたトピックです。しかし、この数字の背景を紐解いていくと、単なる雑学以上の、私たちの生命に対する深い繋がりが見えてきます。
生命の基本的な仕組みは共通している
なぜ、これほどまでに異なる生物同士で遺伝子が共通しているのでしょうか。その理由は、私たち人間もバナナも、地球上の生命として「生きるための基本的な機能」を共有しているからです。
細胞の中でエネルギーを作り出したり、タンパク質を合成したり、DNAを複製したりといった根本的なプロセスは、生命の歴史の中で非常に早い段階で完成されました。この「生命のOS」とも呼べる部分が共通しているため、見た目がどれほど違っても、遺伝子レベルでは一定の合致が見られるのです [1]。
具体的な数値の捉え方
ここで注意したいのは、「50%」という数字が何を指しているかという点です。最新の研究報告によれば、人間とバナナは「遺伝子の数」で見ると約60%の共通性があるとされています。ただし、これはDNAの全配列が同じという意味ではなく、生命維持に不可欠なタンパク質を作るためのコードが似ている、ということを意味しています。
実際に私たちが生活の中でバナナを見て「自分に似ているな」と感じることはまずありませんが、細胞の中で起きている化学反応のレベルでは、私たちはバナナと驚くほど似た仕組みで動いているわけです [2]。
仕事や日常における「共通点」の探し方
この話をビジネスや人間関係に置き換えてみると、面白い気づきがあります。私たちはつい、相手との「違い」にばかり目を向けてしまいがちです。「あの部署とは考え方が合わない」「あの人とは価値観が違う」と線を引いてしまうことは少なくありません。
しかし、人間とバナナですら半分以上の共通点があるのなら、同じ人間同士、あるいは同じ目的を持つチームメンバーであれば、根底にある共通点はもっと多いはずです。表面的なアウトプットや手法が異なっていたとしても、その奥にある「より良くしたい」という動機や、基本的なプロセスは似通っていることが多いのではないでしょうか。
おわりに
バナナとの共通点という意外な事実を知ることで、私たちの視点は少しだけ広がります。違いを強調して壁を作るよりも、まずは共通している「OS」の部分に目を向けてみる。そうすることで、これまでは見えなかった協力の形が見えてくるかもしれません。
あなたは普段、自分とは全く違うと感じる対象の中に、どんな共通点を見つけていますか?
引用文献
[1] How Genetically Related Are We to Bananas? (Pfizer) https://www.pfizer.com/news/articles/how_genetically_related_are_we_to_bananas
[2] Do People and Bananas Really Share 50 Percent of the Same DNA? (HowStuffWorks) https://science.howstuffworks.com/life/genetic/people-bananas-share-dna.htm
