SNSで企業を“見つける”という常識

いまや、就職・転職先の企業を「SNSのおすすめ」や「ショート動画」で知る──そんな時代が現実になっているようです。株式会社よつば制作所による調査では、Z世代の就職・転職活動中の約50%が、SNSのリールやショート動画をきっかけに「志望した企業があった」と回答しています[1]。
昔なら企業説明会、合同セミナー、採用サイトなどが情報の主流でした。しかし今は、スマホを開けばアルゴリズムが最適化して“出会わせてくれる”時代。採用も広告も「見つけてもらう」ではなく、「出てくる」仕組みに変わりつつあります。
求職者の80%がSNSを活用
調査によれば、Z世代の求職者の80%が、就職・転職活動中にSNSを何らかの形で活用しているとのこと[1]。驚くのはその“情報の質”です。企業に対して「発信してほしい内容」として求められていたのは、「社員の働き方」や「待遇・福利厚生」、「企業の強み」など。単なるイメージやビジュアルではなく、リアルで具体的な中身を求める傾向が浮き彫りになっています。
これは、SNSが「なんとなく眺めるもの」から「選択の判断材料」に進化していることを示しているといえます。
ショート動画が“きっかけ”になる理由
特に効果的なのがリールやショート動画。20代の多くが「ついつい見てしまう」と答えたのは「業界あるある」や「雑学・豆知識」など、軽やかでかつ中身のある情報でした[1]。
こうしたコンテンツは、求職者にとって「企業の雰囲気」や「業界の温度感」を想像する材料になります。さらに動画は、文字よりも温度が伝わりやすく、社員のリアルな声や現場の空気感がダイレクトに届く。自己紹介や採用情報という枠を超えて、「この会社、なんかいいかも」と感じてもらえる導線になっているのです。
SNSは、採用の“裏口”ではなく“正面玄関”
一昔前まで、SNSでの採用情報発信といえば「おまけ」や「補足」として扱われてきました。しかし今、Z世代にとっては、むしろ「最初に出会う場所」がSNSになっています。それは企業の顔であり、第一印象そのもの。
企業にとっても、特別な採用動画をつくらずとも、日常の様子を少し切り取るだけで“志望企業候補”になり得るということです。表現がうまくなくても、自分たちの言葉で発信することが、今の若い世代にはちゃんと届いている。そのリアルさこそが、SNS採用の強みとも言えます。
おわりに
「まさかこんなことまでSNSで?」と感じるかもしれませんが、今や就職や転職先すらもSNSが左右する時代。企業の規模や知名度に関係なく、「どんな会社なのか」を日々伝えられる場として、SNSは確実にその役割を広げています。
もし企業が採用活動にSNSを取り入れていないなら、それは“存在していない”のと同じかもしれません。SNSは企業の声を届けるチャンスであり、出会いの場です。これからの時代、就活生に見つけてもらうための“正面玄関”として、SNSをどう活用するかが問われていくのだと思います。
引用文献
[1] 就職・転職活動中のZ世代の5割が、SNSの「おすすめ」や「ショート動画」をきっかけに志望した企業が「あった」と回答 − 株式会社よつば制作所 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000043745.html

