
コンビニのお菓子売り場を見ると、グミの棚が年々広くなっていることに気づきます。新商品が次々と登場し、SNSでも「おすすめグミ」や「ハードグミランキング」といった投稿を見かける機会が増えました。
一方で、以前は定番だったガムは、以前ほど話題になることが少なくなっています。この変化は単なる流行ではなく、20代を中心とした消費者の価値観が変わってきたことを表しているのかもしれません。
ガムからグミへ。変わったのは「目的」
かつてガムは、「口臭をケアしたい」「眠気を覚ましたい」「仕事や運転中にリフレッシュしたい」といった目的で選ばれることが多い商品でした。
つまり、「必要だから買う」という側面が強く、機能性を求めるアイテムだったと言えます。
一方、現在のグミは少し違います。「おいしいから食べる」「食感が好き」「新商品を試したい」といった理由で選ばれることが多く、楽しむこと自体が価値になっています。
クロス・マーケティングが2025年に実施した調査でも、グミを食べる理由として「気分転換」や「小腹満たし」が上位に挙げられています。[1]
単なるお菓子ではなく、日常のちょっとした時間を満たす存在として受け入れられていることが、近年の人気を支える理由の一つと言えそうです。
「食感」が新しい価値になった
グミ人気を語るうえで欠かせないのが、「食感」です。
以前は柔らかいタイプが中心でしたが、最近ではハードグミの人気が高まり、「噛み応え」を楽しむ人が増えています。
さらに、ジューシーなもの、パウダー付きのもの、弾力の強いものなど、同じグミでも選択肢は非常に豊富です。
ネオマーケティングの調査でも、「噛み応え」や「食べ応え」はグミの魅力として高く評価されています。[2]
味だけではなく、「今日はどんな食感を楽しもうか」という選び方ができることも、グミならではの魅力と言えるでしょう。
新商品が次々と出るから飽きない
グミは商品の入れ替わりが非常に早いカテゴリーです。
季節限定フレーバーや人気キャラクターとのコラボ商品など、新しい商品が次々と登場します。
「新しいグミが出ていたから買ってみた」という購入体験は珍しくありません。毎回違う楽しみがあることが、リピートにつながっています。
また、近年はハードタイプのグミへの支持が高まっていることも調査で報告されており、消費者は単に「甘いお菓子」を求めるのではなく、噛み応えや満足感といった体験価値を重視するようになってきています。[3]
SNS時代のお菓子になった
もう一つ見逃せないのが、SNSとの相性です。
カラフルな見た目や独特の食感は動画で伝わりやすく、TikTokやInstagramではレビュー動画やASMRコンテンツが人気を集めています。
「誰かがおいしそうに食べていたから試してみる」という流れも生まれやすく、口コミがそのまま購買につながるケースも少なくありません。
ガムにもファンはいますが、体験を共有しやすいという点では、グミの方が現在の情報発信のスタイルに合っていると言えそうです。
20代がグミを選ぶ理由
20代は、「自分が楽しめるか」「ちょっと気分が上がるか」といった感覚的な価値を重視する傾向があります。
グミは、味だけではなく食感や見た目、限定感まで含めて楽しめる商品です。
必要だから買うのではなく、好きだから選ぶ。その価値観とグミは非常に相性が良く、現在の人気につながっているのでしょう。
おわりに
ガムからグミへのシフトは、「噛むものが変わった」という単純な話ではありません。
消費者が求める価値が、機能性から体験へと少しずつ移り変わってきた結果とも考えられます。
お菓子という身近なカテゴリーの変化ですが、その背景には、20代を中心としたライフスタイルや価値観の変化が表れています。
次にコンビニのお菓子売り場を訪れたときは、どの商品が一番目立つ場所に並んでいるのか、どんな新商品が発売されているのかに目を向けてみてください。そこには、今の消費者が求めている価値が見えてくるかもしれません。
引用文献
[1] クロス・マーケティング「グミに関する調査(2025年)」 https://www.cross-m.co.jp/hubfs/Report/release_files/news_release_20250326.pdf
[2] ネオマーケティング「グミに関する調査 2025」 https://corp.neo-m.jp/report/perception/groceries_006_gummy-2025
[3] PR TIMES「グミに関する調査(ハードグミ人気の推移)」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001632.000007815.html

