最近、「物価が上がった」「また値上げか…」という声をよく耳にします。スーパーに行っても、ガソリンスタンドでも、外食でも。私たち一人ひとりの生活者としては、この物価上昇は正直しんどいものです。家計にダイレクトに響くからです。

でも、少し立ち止まって考えてみたいのが、「お金の向こうに人がいる」という視点です。
値上げ=誰かの給料になる
たとえば、パンの値段が10円上がったとします。その背景には、小麦の価格高騰、燃料費の上昇、人手不足など、さまざまな要因があります。でも、その10円のうちいくらかは、パンを作る職人さんの給料になるかもしれないし、流通に関わる人の賃金になるかもしれません。
つまり、物価が上がることは、「誰かの収入が上がること」とも言えるのです。
働く側としての「嬉しい変化」
私は一人の労働者としても仕事をしています。最近では、クライアントとの値上げ交渉の機会が増えてきました。正直、これは簡単なことではありません。でも、それでも「自分の価値を適切に評価してもらえるチャンス」として、前向きに捉えたいと思っています。
働く人の収入が上がらなければ、社会全体としても消費は伸びませんし、景気も回復しません。
海外とのギャップが広がっている現実
一方で、世界に目を向けると、海外では賃金が着実に上昇しています。アメリカや欧州、アジアの新興国でも、インフレとともに賃金も伸びているケースが多いです。
しかし、日本はというと、まだまだその波に乗り切れていない状況です。結果として、円安が続き、海外からの仕入れ価格はどんどん上がっています。
海外発注のコストと売値の関係
たとえば、私たちが海外のフリーランサーや企業に仕事を依頼する場合、以前よりも高いコストがかかります。為替の影響だけでなく、現地の賃金上昇も価格に反映されているからです。
そのコストを吸収するには限界があります。だからこそ、提供するサービスや商品の価格にも、ある程度は転嫁していかなければなりません。それが、「持続可能なビジネス」のために必要なことなのです。
まとめ:「値上げ」は悪ではない
「値上げ」というと、どうしてもネガティブな印象を持たれがちです。でも、その向こう側には、誰かの暮らしや働き方がある。「お金の向こうに人がいる」という視点を持つことで、社会全体がもう少し優しく、理解し合えるようになるのではないでしょうか。
物価と賃金がバランスよく上がること。それが、これからの日本にとって本当に必要なことだと感じています。