こんばんは!今日は人への伝え方として、面白い例がありました。
タイトルにもあるように「DJポリスの教え」と題し、
具体的な例も示しながら綴ってまいります!
どんな例の話か
2013年6月4日、渋谷の街は熱狂に包まれました。サッカーW杯予選、日本は0-1でリードを許していたものの、試合終了間際のロスタイムで本田圭佑選手がPKを決め、見事にブラジル本戦への切符を手に入れました。
その瞬間、渋谷周辺で観戦していたサポーターたちは興奮のあまりスクランブル交差点に集結。一見知らぬ者同士がハイタッチを交わし、喜びを共有しながらその群れは次第に膨れ上がり、周囲はパニック寸前の状況に。
そんな中、現場に現れたのが「DJポリス」でした。
「伝え方」が持つ力
普通の警察官であれば、「車道に出ないでください」「交通ルールを守ってください!」といった命令調の注意を呼びかけるところ。しかし、それでは興奮状態の若者たちの耳には届きません。
DJポリスは違いました。彼はこう言ったのです。
「目の前の怖い顔をしたお巡りさんも、日本代表のワールドカップ出場を喜んでいるのです。」
「お巡りさんも皆さんのチームメイトです。どうかチームメイトの言うことにも耳を傾けてください。」
この言葉は若者たちに刺さりました。「チームワーク」という感覚が芽生え、その場にいる警察官たちが自分たちと同じ「仲間」だと意識されたのです。そして、ついには「お巡りさん」コールが湧き起こるほどの一体感が生まれました。その結果、混乱の中で一人の怪我人も出すことなく、渋谷の夜は無事に収束しました。
なぜ刺さったのか?
このエピソードからわかるのは、メッセージを伝える際には「相手に寄り添った言葉」がいかに重要かということです。
- 共感を生む視点
DJポリスの発言には「同じサポーターとして喜んでいる」という共感が込められていました。この共感が心の壁を取り払い、相手の心に届いたのです。 - 仲間意識の喚起
「お巡りさんも皆さんのチームメイト」というフレーズが、群衆に一体感を生みました。同じ目標に向かう仲間だと思えば、自然と協力しようという気持ちが生まれます。 - 肯定的な呼びかけ
命令調ではなく、あくまで「お願い」という形で語りかけたことで、相手を尊重する姿勢が伝わりました。
私たちのコミュニケーションにも応用を
この話は単なる渋谷の出来事にとどまりません。日常のあらゆる場面で、人に何かを伝える際に参考になる要素が詰まっています。
例えば、職場での指示や家庭内のお願いごと。単に「これをやって!」と命じるのではなく、「どうしてそれが必要なのか」「あなたに期待している」といった共感や仲間意識を込めて伝えるだけで、受け手の反応は大きく変わるはずです。
DJポリスが教えてくれたこと
後に「警視総監賞」を受賞したDJポリス。その言葉は一夜の盛り上がりを無事に終息させただけでなく、「伝え方」の力を改めて私たちに教えてくれました。
人に何かを伝えるとき、どんな言葉を選ぶべきか。その答えの一つは、相手の気持ちに寄り添い、共感と信頼を築くことにあります。渋谷の夜に学んだこの教訓、ぜひ私たちの日常にも取り入れていきたいですね。